フードテック 代替たんぱく質

フィンランド拠点、空気からタンパク質を生み出すSolarFoodsとは

Photo Credit: SolarFoods

今回の記事では、空気と電気でタンパク質を作ったパイオニア的存在のSolarFoodsを紹介します。

2017年、フィンランドのヘルシンキを拠点としていたVTT技術研究センターならびにラッペーンランタ工科大学(LUT)の研究プログラムからスピンオフしてSolarFoodsは誕生しました。

フードテック企業の同社はこれまで、独自のバイオ技術によって空気と電気からタンパク質Solein®を作り出し、世界規模で食糧生産を行ってきました。SolarFoodsは再生可能エネルギーとバイオプロセス(微生物や動植物の機能を利用して物質を変換させること)によって、環境に良いサステナブルな飲食業界の土台となることを宣言。

2年前には欧州宇宙機関(ESA)と提携を結び、未来の宇宙旅行に備えて食料生産技術を開発していくことを発表しました。Solar Foodsの「食品製造のあり方を変える」というビジョン通り、宇宙船にはさほど食料をストックしなくても済むべく、空気からタンパク質を作り出す技術開発に取り組んでいます。

昨年の9月ごろに行われた資金調達の350万ユーロ(約4.3億円)に加えて、今年の9月にシリーズAラウンドにて1500万ユーロ(約18.6億円)の投資を受けました。

Photo Credit: SolarFoods

今後のロードマップを確認すると、来年からSoleinを使用した製品ラインナップの商品化に本腰を入れていくことがわかりました。新しい生産拠点も拡大させ、まずはEU内でのプレゼンスを高めるよう。こうした生産ラインナップの拡大と生産拠点の設立などに調達資金は使われると述べられています

2022年末には再生可能エネルギーで稼働する工場を設立させ、年間に流通させる食品数は5,000万食にまで拡大させる計画です。2050年には1年間で4億食までスケールアップさせ、売上300億円ほどを目指す計画が明らかになりました。

合成ガス発酵法による独自の開発技術ですが、以下の通りバイオプロセスによって成り立っています。

Photo Credit: SolarFoods

わかりやすく説明すると、まず水を電解して水素を発生。次に水素と二酸化炭素、ミネラル等を混ぜ、微生物に与えることでタンパク質を生成させます。最後に、その微生物に熱処理を加えれば、粉状のタンパク質ができあがる工程です。

Soleinのように微生物を遺伝子工学によって作り出すプロセスは新進気鋭で評価されるものの、ヨーロッパは規制が厳しく、GMO食品(遺伝子組み換え食品)にかなり懐疑的なEUではSoleinが承認されない可能性も出ています。

アメリカにはKiverdiNovo Nutrientsが二酸化炭素からオイルや魚介食品を作り出している他、イギリスではDeep Branch Biotechnologyが動物の餌を産業排気ガスに含まれるCO2から製造しているそうです。

来年以降に勢いが増していくことが予想されるSolarFoodsですが、世界中で同様の技術が台頭する中で成功を収めることができるのか気になるところ。今後も定期的に注目していきます。

参考記事

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