
スイス西部に本社を置く、世界最大の食品・飲料会社ネスレが、初となるヴィーガン向けコンデンスミルク代替品の商品開発・展開をはじめました。
ミネラルウォーターやベビーフード、コーヒー、乳製品、アイスクリームなど多くの製品を取り扱っている同社ですが、お菓子作りにかかせない調味料などで有名なブランド(カーネーション)で新製品が誕生しました。

新たに誕生したのはヴィーガン向けコンデンスミルク。コンデンスミルクとは、牛乳に糖分を加えて濃縮させた、粘度の高い液状の食品です。
しかし、牛乳の代わりに植物性ミルクで使われる原料を使用しています。つまり、オーツ麦と米粉をあわせたものを主原料にひまわり油と砂糖・水を加えて開発したよう。1年半かけた末に、ヴィーガン用コンデンスミルクとして完成することに成功しました。
こうして誕生したコンデンスミルクですが、ヴィーガン協会(The Vegan Society)は、動物性食品や素材が含まれていないだけでなく、お菓子作りとして問題なく使えると保証しています。味や舌触り、見た目も本物と遜色ないみたいです。

1944年に設立された世界でもっとも古い歴史を持つヴィーガン協会ですが、これまでヴィーガニズムのライフスタイルを望む人々の援助をしてきました。
そんな英国のヴィーガン協会(The Vegan Society)の認証基準は以下の3つです。
- 動物性原材料:認証された製品の製造業者や生産者は、動物性製品または動物性副産物を、製品や製品の製造過程で使用しない。
- 動物実験:自社における製品開発や製造過程で、いかなる種類の動物実験も行わない、そして行ったことはない。また、外部委託も行わない。
- 遺伝子組換え作物:遺伝子組換え作物の開発や生産に、動物遺伝子や動物由来の物質を含んでいない、そして含んだことがない。遺伝子組換え作物を含む製品はそのように表示される。
ヴィーガン協会の認定ロゴは、人にも動物にもやさしい信頼の証で、ネスレも開発に1年半かけた甲斐があったといえそうです。同社は、今年10月からUKとアイルランドを皮切りにスタートしました。
日用食品ブランド担当のマーケティング部長Vittoria Simmsは「これまでヴィーガンの人々はどうしても味や食感、見た目などに対して妥協せざるをえない部分が多かった。カーネーションヴィーガン(コンデンスミルク)はシンプルな味とほのかに香るオーツ麦の風味のおかげで、いろんなお菓子作りに汎用できると思う。」と述べました。
コロナの影響下で、今年3月と4月に前年比+61%も高まった家庭内お菓子づくり需要も意識していると述べており、イギリスとアイルランドにおける今後の展開に注目が集まります。
参照記事
Nestlé Launches First Vegan Condensed Oat Milk In UK
NESTLÉ IS LAUNCHING THE WORLD’S FIRST CONDENSED OAT MILK