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ベルリン拠点、デジタルに森林保護を可能にするDryadとは

Photo Credit: Dryad

森林火災といえば、多大な被害を受けたオーストラリアの大規模火災が思いつきますが、実は国内でも結構おきています。

農林水産省 林野庁によると、日本での山火事発生の最近の平均として、毎日全国で4件の山火事が発生していることになり、約2ヘクタール(東京ドーム約2個分)の森林が焼失し、1,600万円の損害がでているといいます。日本での森林火災は人為的なもの(焚き火や放火など)がほとんど。世界をみると自然的に発生しているほうが多いです。

自然的な火災の主な原因は、乾燥と摩擦。乾燥することによって落ち葉の水分が失われ、枯れ葉同士が摩擦をすることで火が発生し、周りの枯れ葉や木々に燃え移ることで火災となります。そしてによって火災は急速に広がってしまいます。

未然に火災を防ぐのは難しくても、消火活動を迅速に行うことはできるかもしれません。今回の記事では、テクノロジーを使って森林火災を感知しお知らせしてくれるサービスを提供するドイツの企業を紹介します。

ベルリンを拠点とするDryad Networksは昨年の11月29日に設立されました。創立1周年が目前に迫った10月13日、シードラウンドにて€1.8(約2.2億円)を調達し、勢いに乗っています。

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森林火災は、はじめの一時間で燻っている状態から火が大きくなります。1日経てば大変な被害が次々と発生。消防団員などによる消火活動にも人員と費用がかかってしまうものです。

センサーで早期発見・消火できれば、公共の森林火災による被害者を守ることに繋がるだけでなく、消防隊による活動コストが抑えられます。もちろん所有者がいる森林も同様ですが、同社のサービスは木の健康管理にも活用できるとサイトで説明されていました。

提供するサービスは、以下の通り。

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太陽光で動くセンサー(写真左)を木に巻くことで設置し、煙や気温、湿度や空気圧を計測します。ゲートウェイと呼ばれる機器(写真中央)でセンサーが発した電波をキャッチ。パソコンでその情報を分析された状態で確認、監視ができるというシステムを、森林の所有者や消防署などに提供しています。

ゲートウェイとセンサーが分散的に連携することで、広い森でもアンテナを貼ることができるようです。ちなみに、実際に火災を探知すれば即メールが送信され、ユーザーに通知されるそう。

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こうした仕組みによって森林火災の早期発見と発生場所の特定ができるようになるといいます。どうやら、わかるのは火災の発生場所ではなくセンサーの緯度と経度の座標(Google Map上で確認可能)だそうです。

顧客の幅も広げられそうですが、現状ではまだMVP(実用最小限の製品)だとCEOは述べており、ドイツで成功すればアジアを始めとする海外進出を目指すとしています。それだけではなく、将来的には湖や海、川などにも活用できるといいます。(CO2濃度や湿度、海面上昇も探知できるみたい)

森林火災の消火活動に貢献しているDryadのSDGs目標で貢献する領域は、以下の通り。

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13のCLIMATE ACTION(気候変動に具体的な対策を)では、森林火災を減らし火が排出する二酸化炭素を削減します。

15のLIFE ON LAND(陸の豊かさも守ろう)では森林減少を防ぎ、陸上の75%の生物多様性を守るといいます。

9のINDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE(産業と技術革新の基盤をつくろう)では森林火災を減らすことで経済的な悪影響を減らすことで貢献。

3のGOOD HEALTH AND WELL-BEING(すべての人に健康と福祉を)では森林火災がもたらす煙が引き起こす喘息や目の炎症などを削減するとしています。

少し俯瞰すると、Dryadのサービスは森林火災が起こす影響を全て減らせるため、森林保全に向けて同サービス関連の急成長が求められています。

参照記事

SDGs(持続可能な開発目標)17の目標&169ターゲット個別解説

Crunch base Dryad Networks

Dryad 公式ホームページ