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ビヨンドミートの提携で起死回生をねらうミールキット宅配企業Blue Apronとは

レシピを見ながら料理するとき、食材が揃っていたところで計量が面倒くさい方は結構いると思います。計量カップ1杯半だとか、大さじ何杯だとか、いちいち計量するのが面倒くさくて適当にすると取り返しのつかない状況に追い込まれることはありがちです。

今回紹介する企業はレシピに掲載される食材を、調味料も含めて宅配してくれるため、面倒な計量とおさらばできるサービスを提供しています。

Photo Credit: Blue Apron ワインのサブスクも行っています。(一本10ドル)

その企業は、ここ数年で有名となったミールキット宅配サービス企業「Blue Apron」です。

現在およそ500〜1000人という従業員の数からわかるように、創業から8年でBlue Apronは大きく成長しています。2017年に上場するまでに要した投資金額はトータルで$199.4M約211億円)。ニューヨークを拠点としています。

必要な食材・調味料を届けることで、これまでの”自炊”の方法を変革するスタートアップBlue Apronは、サブスクリプション(定額制)サービスを展開。利用料は1人前で9.99ドル(約1,000円)ほど使う食材、調味料があらかじめ計量して配達され、受け取ったユーザーはレシピを見ながら材料を加えていくだけで調理できます。料理が苦手でも美味しい料理ができるのがサービスの特徴かもしれません。

週ごとのサブスクリプションでは、レシピが添えられた、卸売業者から仕入れた食材を届けるサービスを提供。シェフを雇っているかのように、定期ユーザーは今までに食べたことのない新しいレシピを発見できます。なによりも、より新鮮で美味しい食事を”時間とお金”を節約しながら食べられるビジネスモデルだと言えそうです。

サステナビリティについてサイトでは3つの側面から説明されていました。

Photo Credit: Blue Apron

1つ目は、持続可能な海産食品アドバイスプログラム(持続可能な海洋資源かどうかを監視する)Seafood Watchの推奨するシーフードを使用している点です。

次に治療量以下の抗生物質をはじめ、成長を促すホルモン剤やアドレナリン作動薬を使用せずに鶏や牛、豚を飼育する点

3つ目は非GMO(遺伝子組み換えでない)農作物を使用する点。伝統的な方法で生育や交配をおこない、遺伝子工学を導入しない方針を示しています食材のいくつかはアメリカ農務省から証明をもらったオーガニック素材を使用中です

2019年より、人工肉メーカーで知られるビヨンドミートと提携。にんにく、インゲン豆、玉ねぎを挟んだチェダーチーズバーガー(ビヨンドミート製)のレシピを2019年8月リリース。4パウンドのパティには20gの植物性タンパク質が含まれ、遺伝子組み換えでない大豆などを使用。このように、植物性の人工肉をレシピに組み込むことも、Blue Apronの行うサステナビリティの一環だといえそうです。

そんな環境への配慮を考える同社ですが、下の写真からわかるように、上場後の株価は右下がりとなっているのが確認できます。

2017年6月29日のウォール・ストリート・ジャーナルによると、当時の資産運用担当者やアナリストへの取材で、通常は新規上場株を求める複数の機関投資家がBlue ApronのIPOを避けていることが判明した様子。新たな顧客を取り込むコストが上昇しているほか、解約率が高いとみられることが主な懸念事項に挙がっているそうです。

さらに、アマゾンは137億ドルで食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」を買収し、「Amazonミールキット」とよばれる事業を開始しています。この事業はBlue Apronの競合に値します。巨大な敵があらわれる中、窮地に立たされつつもBlue Apronは2020年10月7日に、3つの施策をスタートしました。

1つ目はレシピのカスタム化。つまり、レシピの材料をカスタム変更できるそう。例えば、タンパク質の変更に関して、通常の肉から植物性の肉へ変えられます。大盛りに変更できるだけでなく、デンプンから野菜へ変更も受け付けています。食事制限を抱えるユーザーにとっては願ってもない機能かもしれません。

2つ目は週ごとに複数のミールキットの取り扱い可能となる点。これまでのユーザーは一週間に1ボックス(全食材が梱包済み)が届く仕組みでしたが、これでは4種類のメニューに限定されてしまいます。しかし、今後はボックスが2つとなるため、最大で8種類のメニューを一週間で計画できるようになったということです。

3つ目は2人用のボックスで以前より多い料理を受け付ける点。この写真を確認するとわかりやすいですが、写真左のように4つのレシピまで選択が可能となっています。

Photo Credit: Blue Apron

昨年のビヨンドミート提携をうまく活かし、こうした施策によっても地球に優しいミールキット宅配企業へ成長するBlue Apronですが、今回の施策によってマーケットではどのような反応が起こるのでしょうか。

北アメリカのミールキット市場は2025年には50億ドル(約5,300億円)の市場規模になると予想されており、今後のシェア争いに衆目が集まります。

参照記事

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