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コペンハーゲン発、世界規模でフードウェイストを減らすToo Good to Goとは

世界の59%にあたる43億人が1日500円以下で暮らし、生活に充分なものが得られていない一方で、世界中の3分の1におよぶ食べ物は廃棄されています

今回紹介するスタートアップは、「まだ美味しく食べられる料理」をもう一度求められる人の手に渡るよう設計されたアプリ運営の「Too Good to Go」です。

Photo Credit: Too Good to Go

創業秘話は、二人の学生からはじまりました。

2015年、当時デンマークに留学をしていたJamie氏とChris氏は、世界中でまだ食べられるものが毎日大量に棄てられている状況をなんとかしたいと思っていたという。ごみ箱に棄てられる前の段階でなんとか食材を工夫し、みんなに喜んで食べてもらえるような仕組みができないか考えていたそうです。そこで、後にToo Good to Goとしてリリースされることになるアプリのようなアイデアが思い浮かんだとインタビュー記事で述べました

試作型のアイデアをすぐにウェブサイト形式にしてサービスのモデルを作り、デンマークの社会起業家とToo Good to Goのアプリを開発していき、2015年末にデンマークでアプリをリリースするに至ったといいます。

コペンハーゲン発のToo Good to Goは、創設から5年ほどで15カ国以上で展開ユーザー数は既に2000万人以上で、3万9000軒以上のレストラン、ホテル、果物屋、パン屋、お菓子屋、スーパーが登録しているといいます。ちなみに、過去30日間でダウンロードされた数はおよそ160万でした。(2020年10月7日現在)

収益構造ですが、ユーザー登録や利用料金は無料。店ごとに契約が異なるため、一概に売上の何%とは公表していないものの、食品を提供するレストラン側から支払われる手数料によって運営しているとのこと。彼らいわく、非営利的に活動しているそう。そのため、ほとんどの料理や食品は通常より66%ほど安い値段で購入できます。料理の価格例ですが、2ポンド(約260円)から、高くても3.8ポンド(約500円)とのこと。

レストラン側の視点で考えれば、アプリを導入してしまうと常連だった客が来なくなるかもしれない。むしろ、アプリを通して提供する格安料理が原因で売上が落ち込むかもしれないと、はじめは危惧したはず。

しかし、Too Good to Goの仕組みによって一日あたりの上限客数が決められています。つまり、毎日数人しか予約できない設定とのこと。しかも、メニューも余り物でランダム。通常のメニューから選べるならまだしも、常連がアプリに流されることはほぼありえない様子。

創業からたった数年でグローバルに展開するToo Good to Goは、そうしたレストランへの配慮だけでなく、フード廃棄による環境負荷が抑えられるメリットをしっかりと説明したことで、抵抗気味だったレストランにも導入してきました。

2020年10月時点で、これまで約1トン(1147.5kg)の食べ物を救ったいいます。しかし現在のフードウェイストによるカーボン・フットプリントは33億トンあり、同社の解決する課題の大きさがはかり知れます。

Photo Credit: Unsplash

Too Good to Goは2019年2月、「賞味期限と消費期限の書き方キャンペーン」を行いました。賞味期限と書いてあるところの横に、「多くの場合、その後もおいしく食べられます」というような記述を並べるよう働き掛けたそうです。最終的に、ユニリーバやカールスバーグ、オーガニックのブランド、アーラという酪農協会も、賞味期限と消費期限の書き方に配慮することが決定した様子

2020年5月には、セブン-イレブンがToo Good To Goと提携し、デンマークの全店舗で「Happy Bag」の販売をスタートしました。「Happy Bag」は、菓子パンの詰め合わせと、スナック菓子をはじめとする食料品の詰め合わせの2種類が用意され、いずれも販売期限間近の「訳あり」商品がまとめて割安で提供されるとのこと。試験販売では2万4000個を完売したそう

Too Good to Goの理念は、「廃棄されていく食料をそのまま捨てるのではなく、それらに再び価値を与え、食料と地球を救った上で節約もする」です。上述のキャンペーンだけでなく、一般家庭にあふれる傷んだ野菜やフルーツを救うべく設計されたレシピを公開するなど、幅広く活動を続けています。

先週にはニューヨークへ進出することを発表するなど、グローバル展開にも拍車がかかります。お金をかけてまで廃棄してきた食べものを利益につなげることで、レストランにも地球にもWin-Winの関係をつくりあげてきたToo Good to Goの今後の活躍に期待です。

参考記事

企業の賞味期限表示を改善した!食品シェアアプリの元祖 ヒュッゲの国デンマークのTooGoodToGo

レストランと消費者をつなぐマッチングアプリ「Too Good to Go」が食品ロスを減らす

食品ロスを減らすアプリ「Too Good To Go」とは

This app lets New Yorkers buy restaurants’ extra food at a big discount