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大規模開発(培養)でサステナブルな魚肉開発を目指すBlueNaluとは

Photo Credit: BlueNalu

スーパーマーケットに赴くと、季節ごとにキレイな色彩で飾られた宣伝文句には”旬の魚”の文字が浮かんでいます。ところが、ものによっては海外から運ばれた輸入物。でも安ければ構わない消費者は多いです。

人口が増え続けるとともに、牛肉や鶏肉をはじめ、魚を中心とする水産資源の消費量も多くなります。2050年にはその需要が現在の約2倍に到達すると言われていますが、近年加速する人工肉の開発は畜産領域だけではなく、水産領域にまで及んでいます。

ちなみに世間では「Beyond Meat」「Impossible Foods」の植物由来の代替肉が人工肉として認知されますが、人工肉のタイプを大きく分けると、植物性たんぱく質を利用する”代替肉”と動物の細胞を増殖させる”培養肉”の2種類。

今回の記事で紹介するBlueNaluは、魚の生体から取り出した細胞の培養による魚肉生産を目指す培養肉スタートアップです。

創設した2017年当時、同社は開発に必要な技術を持ち合わせていなかったといいます。しかしBlueNaluは短期間で開発能力を身に着け、大きく成長。昨年12月には、ブリから取り出した細胞を培養することによって、完全な切り身を作り出すことに成功しました。

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その他のシーフード開発では、スズキ目のアイナメシイラヒウチダイ科のオレンジラフィから採取した筋肉細胞にビタミン・アミノ酸・糖類を加えながら培養。シート状の完全な筋組織に成長したら切り分け、生食用や冷凍食品、あるいは他の料理の具材として販売されるとのこと

天然の魚や養殖の魚とは異なり、頭や尾びれをはじめ、骨も血がないのがこの培養肉開発のメリットです。MeaTechもそうでしたが、同社も3Dバイオプリントによって作られます。

サンディエゴ周辺に暮らす1000万人分のシーフード需要を満たすことを目標とするBlueNaluは、2020年2月26日、2000万ドルのシリーズAラウンドの資金調達を完了しました。

5月29日には、新たに住友商事株式会社が出資したことを公表。これまでの合計調達資金は$24.5M(約25億円)となっており、サンディエゴでのパイロット工場建設、人員増強、グローバル販売チャネル整備等、販売開始に向けた体制を強化する様子です。

まだ大規模生産施設の開発フェーズ1に入ったばかりですが、5年後には完成するそう。そしてこの施設を複製して、一人当たりのシーフード消費量が多い北米、アジア、ヨーロッパで供給体制を盤石にする計画だといいます。

創業してから3年で大規模開発を参画するBlueNaluは、供給体制を整えると同時により多種類の魚介類を再現することで、水産領域におけるパイオニア的な存在となりそうです。

1970年から海洋生物の数が半減していますが、魚の細胞を培養することで将来の持続可能な水産資源を目指すBlueNaluの動きに注目です。

参照記事

米国の培養魚肉製造スタートアップBlueNalu社への出資について

代替食品ラッシュ。魚から採取した細胞を培養した代替シーフードが誕生(アメリカ)

BlueNalu: The cell-based company about to make waves in the seafood segment