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ロンドン拠点の冷凍ヴィーガン食を届けるDtoCスタートアップPlantyとは

ヴィーガンとは何かご存知でしょうか。ヴィーガンというのは実は造語で、もとの概念としてヴィーガニズムと呼ばれる考え方があります。Wikipediaによるとヴィーガニズム(veganism)は、人間が動物を搾取することなく生きるべきであるという主義だそうです。

Photo Credit: Planty

英国ビーガン協会の定義によれば、「Veganisimとは、可能な限り食べ物・衣服・その他の目的のために、あらゆる形態の動物への残虐行為、動物の搾取を取り入れないようにする生き方」といいます。ちなみにヴィーガン (vegan) という単語は、1944年のイギリスにおいてヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンによって造語されました。(余談ですが、ベジタリアンという単語はさらに100年ほど昔に誕生したよう。)

当時は戦争中の日本でも、近年ヴィーガンという言葉が浸透しつつあることを感じずにはいられません。

今回紹介する企業は、冷凍でヴィーガン食を届けるD2Cスタートアップです。誕生したのは2019年の4月9日。ロンドンを拠点に活動する同社の、設立から現在までに調達した資金は€180K(約2,200万円)です。

Photo Credit: Planty

Plantyの提供するサービスはシンプルで、まず6, 8, 10のいずれかを選び、その数だけメニューから料理を選択します。その後、シェフの作ったヴィーガン料理は新鮮な状態で冷凍され、利用者が決めた宅配日時に家まで届けてくれます。届いたら電子レンジやオーブンにいれて温めればすぐに美味しい料理が自宅で楽しめる仕組みです。

ヴィーガン食に限らず、普段から料理(自炊)するのが好きな人であれば困ることはないですが、料理が苦手なヴィーガンの方々は毎食が大変です。しかもコロナの影響で宅配サービスを利用したい人はヴィーガン食を見つけるのに一苦労。あってもオプションが少ないのが現状です。

Plantyの提供するサービスは、料理に時間をとられたくないヴィーガンの方々や、あるいは便利なデリバリー食をより健康な食事にしたい人にとって、何としても手に入れたいもの。

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Plantyの提供するメニューは現在12種類。料理はすべてCEO兼シェフであるJoe氏を中心に調理されています。彼はミシュランで三ツ星を獲得したPetrusをはじめとする、ロンドンの高級レストランで腕を磨いてきました

料理にこだわるオーナーは、高級レストランと同じ美味しさをデリバリーするとしています。もちろん使う食材はこだわり、つねに信頼の置けるパートナーから仕入れているよう。すべて植物性で、いうまでもなく牛肉、鶏肉、魚、乳製品、卵、はちみつ等が不使用です。

ヴィーガン食は調理後すぐに冷凍保存。すぐに再利用可能な断熱ボックスへ梱包されます。ダンボールの中に断熱材と保冷剤をいれており、通常24時間ほど冷凍が持続するそうです。購入者の意図で、玄関前におくことや隣人に代理で受け取ってもらうなど、臨機応変に宅配するといいます。

届いた冷凍ヴィーガン料理は、冷凍庫に保存すると最高で3ヶ月もち、冷蔵庫だと3日間が限界だとQ&Aで説明されていました。スーパーで売られる冷凍食品や惣菜を買うのに比べ、フードウェイストの少ない仕組み(D2C)を採用した点も、サステナブルだと評価されています。

つまり、注文が入ってから作るため、無駄を減らした食材量で作れるだけでなく、届いてからも長持ちな冷凍料理を、定期的(持続的)に配達できるのが同社のサステナビリティ(持続可能性)の主な特徴です。一方でスーパーなどに並ぶ惣菜や料理は先に作ってしまうので、フードウェイストの温床となっています。

Plantyの提供するサービスプラン・価格は以下のようになっています。

Photo Credit: Planty

写真からもわかるように、10の料理をサブスクリプション(定額制で宅配)するのが最も安いよう。

料理一つあたり£4.95(約700円)なので、6料理〜10料理で4200円〜7000円くらいです。1、2、3、4、6週間ごとに宅配が設定できるサブスクリプションサービスですが、宅配3日前までだったら宅配の日時変更やキャンセル、スキップも可能としています。旅行中や出張中のみスキップできるのは便利だと言えそうですね。

Photo Credit: Planty

Trustpilotでは、レビュー76回の平均値が4.8と高評価で、内容を拝見してもヴィーガン家庭だけではなく、子供の健康を気遣う多忙な家族もサービスを愛用していることがわかります。

料理人の作る料理ということもあり、提供される冷凍料理は高く期待されているようです。そんな高いハードルにも関わらず、同社の料理はしっかりと期待値を超えていることがレビューから窺いしれました。

冷凍ヴィーガン食を届けるDtoCスタートアップPlantyは、シード期でまだ小規模ですが、今後のイギリス国内の展開や国外への拡大に注目が集まりそうです。