
今回の記事では、現代を生きる若者に欠かせない、人の体と地球環境に優しい、プラスチックフリーな新しいガムTrueGumの創業ストーリーと商品の魅力について紹介する。
誰もが一度は食べたことのあるガムだが、そこにプラスチックが含まれていたことに気づけた人は少ないだろう。しかも、道端に捨てるのをいとわない人は多い。

現在ヨーロッパ全体で販売されるTrueGumは、Jacob、Peter、Zabrina、Mortenの4人によって開発・起業されたが、彼らは2017年にアハ体験(ひらめきの体験)をしたという。
彼らは当初、ガムの中に何が含まれているのかよくわかっていなかった様子。そして少し調査してみたら、従来のガムにプラスチックが含まれていることを発見。
以来、プラスチックフリーを目指すだけでなく、生分解性、砂糖不使用、ビーガン対応したガム開発に没頭してきた。
実に472回ものプロトタイピングを繰り返し、自宅の台所でTrueGumのレシピを完成させたという。
下の動画でもわかるように、コペンハーゲン(デンマーク王国の首都)に2,000万ものガムが道端に吐き捨てられてきたという。年間3億トンともいうプラスチックゴミのうち、10万トンはチューイングガムから生まれているとのこと。従来のガムは、地球環境にも負荷の大きかったことが伺える。
原材料にはchicle(チクル:メキシコ原産のサボジラの樹液を煮詰めた固形物)を使用。チューインガムの木とも呼ばれるサボジラ自体は切り倒す必要がなく、樹液のみを採取するため持続可能な原材料だ。
甘味料にはステビアの葉(詳細)や白樺(シラカバと読み、人工甘味料キシリトールの原料として有名)から抽出した糖質を用いたという。フレーバーの味付けには果実や植物、保湿剤には植物由来のグリセリンを使ったとのこと。もちろん着色料などの化学添加物は含まれておらず、動物性の原料も一切含まないためヴィーガンにも対応している。
こうした植物性の原材料はすべて生分解性であり、道端に捨てられたとしても土にかえる仕組みだという。

現在、販売中のフレーバーは以上の4つ。リフレッシュミント&抹茶(Refreshing Mint & Matcha)、ほかほかジンジャー&ターメリック(Warming Ginger & Turmeric)、贅沢リコリス(甘草)&ユーカリ(Rich Liquorice & Eucalyptus)、スイートラズベリー&バニラ(Sweet Raspberry & Vanilla)だ。
日本では購入できないが、北欧ならではの素材を活かし、味の想像がうまくできない絶妙な組み合わせ。
今年9月15日、TrueGumはプラスチックフリーのガム需要を評価され€1M(約1.2億円)の資金調達を行った。飲食業界の消費財(フードテックや代替プロテイン領域)に特化したベンチャーキャピタルファンドのOyster Bayが投資したという。
同ファンドのパートナーのChristoph Millerは、「TrueGumのファンの一人として、今回の投資をクロージングできて嬉しく思う。TrueGumはチューイングガム業界を先駆けるサステナブルな企業だ。製品もプラスチックフリーかつ植物性であり、現代の消費者に人気である。経営陣も高いモチベーションを持ち、コミットし、プロフェッショナルで将来が楽しみだ」と述べた。
日夜成長するプラスチックフリーのチューイングガムTrueGumは、今回の調達資金をヨーロッパ内のシェアが大きい地域、例えばドイツを始めとする国の運営規模を拡大させるために使用するとした。
台所で誕生した循環型プロダクトは、今後もヨーロッパ内を席捲し、いずれアメリカ、アジアへトレンドが流れていくことも予想される。
参考記事
Copenhagen-based startup True Gum raises €1 million as demand for plastic-free chewing gum builds
Roboyo sammelt 21 Millionen ein – Oyster Bay investiert in True Gum