プラゴミ問題 循環経済 循環型ものづくり

世界初を謳う、使い捨て紙カップから作られたトラベルマグとは

Photo Credit: Circular&Co.

今回の記事では、クラウドファンディング「Kickstarter」のサイトをもとに、世界初の循環型トラベルマグと、生みの親であるイギリス拠点のCircular&Co. についてまとめる。

ではさっそく、現在までのロードマップを確認していき、世界初といわれる商品の何が”循環型”なのか、価格、機能について紹介する。

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Photo Credit: Circular&Co.  「rCUP」のデザイン

Circular&Co. は、2016年後半から2017年にかけて世界初となる製品を開発した。商品名は「rCUP(上写真)」と呼び、使い捨てコーヒーカップを再利用したトラベルマグ(タンブラーと類義)である。

「rCUP」は8oz(237ml)、12oz(355ml)の2サイズで大ヒット商品となった。CEOも「ここ3年は最も成功した期間だった」と述べる

2020年8月18日、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で、あるプロジェクトが開始した。このプロジェクトを短く説明すると、世界初の循環型トラベルマグを広めたい!といったものである。

新サイズ開発にかけた期間はたった4ヶ月

2019年に、新しく16oz(473ml)サイズを開発。名前も「the Circular Travel Mug」と改め、今回のクラウドファンディングによって認知度を高める計画だと考えられる。

新サイズの製品アイデアを固めてから、たった1ヶ月で16oz(473ml)の循環型トラベルマグのプロトタイプ(試作品)を完成。アイデアの着想から4ヶ月後には製品デザインも完成させるという早いスピード感が窺い知れる。

そして、今月(現在2020年9月15日)より製造を開始。来月からクラウドファンディングで集ったサポーターに対する報酬(Rewords)としてマグを低価格で販売する予定だ

例えば、12oz(355ml)の容量で13ドル、16oz(473ml)の容量で15ドルだと特別価格を公表。日本円だと1400円~1600円ほどの価格帯だ。プレッジ(支援金)を申し込まれる方はこちらまで

循環型トラベルマグの”蓋”が持つ機能性とは

Circular&Co. のビジョンは「The Future is Circular. (未来を循環型に)」としており、ミッションに「Put simply we all need to get more from what we already have.(既存の資源から、再利用によって必需性が高いものを作り出す)」を掲げる。

Circular&Co.は循環型のデザインは地球の汚染や廃棄をなくせると考え、繰り返し使うたびに価値が上がる、または持続可能な資源利用を目指すとした。

Photo Credit: Circular&Co.

このようなことを踏まえると、同社の循環型トラベルマグの商品アイデアの背景が伺える。

同社によると、世界では毎年6,000億個ものコーヒーカップが捨てられるという。スターバックスやマクドナルド、カフェ、食料雑貨店などに協力してもらい、莫大な量のカップを回収できるとのこと。

集めた使い捨てカップから、10年もの長期間、繰り返し飲めるトラベルマグへ変えることに成功した。一度きりだった紙カップが、何度も使える紙カップになったことで、ミッションどおりの”再利用”を実現しているとも言えるだろう。

この製品の良さは、再利用した原材料だけではない。むしろ、蓋の機能性に創意が見られる。例えば、片手で蓋を開けることができる点や、360°全方向から飲むことができる点だ。さらに、蓋を締めた状態であれば倒しても液体が絶対にこぼれないデザインとなっている。

以下のGIF画像から性能を確認できる。

Photo Credit: Circular&Co.
Photo Credit: Circular&Co.
Photo Credit: Circular&Co.

こうした蓋の持つ機能のほかに、ボトル本体の保温効果は60~90分も持続する。耐久性にも富み、10年もの長きにわたり使用できる。

この循環型トラベルマグを開発したCircular&Co.は、ダイソンの元プロダクト・デザイナーのDan Dicker氏によって2003年に創設された。ダイソンを退いたDan Dickerは、Cornwall(イギリスの南西端にある州)に移動。開発・デザインするにもスペースが必要だったと述べており、トラベルマグの他にいくつか画期的な循環型プロダクトを発売してきた。

PhotoCredit: Circular&Co. 左がECOPOTS、右がTideclocks

例えばECOPOTS(プランター)、Tideclocks(潮の干満を表す時計)は、プラスチックを再利用したり、牛乳パックを再利用したりすることで循環型を実現。他にもいくつかあるが、循環型のものづくり企業として衆目を集め続ける。

こうした循環型の商品説明もしていきたいが、次回以降の記事に譲ることにした。同社の今後の新しい発明にも注目していきたい。

参考記事

Circular Travel Mug: Your new go-to reusable coffee cup

Interview With The Mastermind Behind rCUP, Dan Dicker