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包装ゴミほぼゼロを実現した食料雑貨店Filoleとは

Photo Credit Filole

今回の記事では、カリフォルニア発の食料雑貨店Filoleについて紹介するとともに、ローウェイストの軸となるディスペンサーをはじめとするシステム開発企業のSmartBinsについてまとめる。

FiloleとSmartBins、両社の創業者であるDavidConwayとRussellConway(兄弟)は、健康食品にもかかわらず包装ゴミが出る世の中に不満をもったことをきっかけに起業したという。

ローウェイスト食料雑貨店Filoleは、包装ゴミがほとんど出ないデザインが施された店舗。以下の動画を確認すれば、Filoleモデルの全体像がつかめるはずだ。

Video Credit: Filole Market

動画でも示唆されるように、世の中にはプラスチックで包装された食品があふれている。しかし、ほとんどのパッケージには無駄な隙間があり、実のところ食料品そのものが必要とする領域はかなり少ない。

創業者は、「他の商品パッケージ全体における最大40%もの”空き”は、ディスペンサー(一定の量を吐き出す装置)やリフィル(詰め替え)で代替可能だ。」と述べた。包装された商品を購入すると、パッケージはすべからくゴミになるのは誰もが経験済みである。

これまでのスーパーマーケットやコンビニなどでも、商品パッケージがなくなれば効率的に商品陳列が可能になりそうだ。まったく環境問題に関心がない消費者も、普段通う食料雑貨店がローウェイストであれば嫌でも関心が向くようになるだろう。意識改革という意味でも、非常に意味のあるビジネスだと考えられる。

Filoleの特徴は、店舗の壁に並べられた食料ディスペンサー(定量吐出装置:下右の写真)からビン詰め、バーコードの自動プリント装置(下左の写真)を使い、シールをビンに貼ることで購入ができる仕組み。こうしたシステムによって、従来のようなプラスチック容器を使わずに商品を購入できるという。

Photo Credit: SmartBins 左はAdd-on system 右はS1system

しかも、お客さんは最大で20%ほどお得に買い物ができるとのこと。そもそも容器に入っていないため、万引などの心配がなく、ディスペンサーに密閉されたことで衛生的にも安心だ。

創業者は、無理に季節外れの商品を販売しないと述べており、季節ごとに旬な食料を販売する点も特徴である。IoT(Internet of Things)による在庫管理で消費期限を棚ごとにチェックできるという。さらに、消費期限が近づくと自動で値段を下げるといった仕組みも設定できるとのこと。

持続可能なサプライチェーンを構築し、パッケージフリーで衛生的な小売ビジネスを行うFiloleは、ゴーストキッチンをはじめ、社員食堂や大学のカフェテリアなどもターゲットとするという。

SmartBinsは、現在カリフォルニアのサンタクルーズを拠点としているが、すでに世界中のパッケージングや小売ハードウェア企業とパートナーシップを締結したことで、西ヨーロッパ、北・南アメリカを今後の展開地域として定めている。どうやら日本への進出をまだ考えていない様子だ。

Photo Credit: OpenIdeo SmartBins

SmartBinsのビジネスモデルは、Add-onとS1で2種類あり、どちらもサブスクリプションとしてサービス提供する様子。ざっくりとだが、Add-onはバーコードの自動プリント機器を既存のPOSシステムに合わせて導入するサービスで、S1はディスペンサーの在庫管理サービスだと言えそう。

ストアごとに瓶やディスペンサーを250個導入することを前提に、サブスクリプションとしてAdd-onは月々10万6千円($1,000)のサービス。S1は小売業者に対して月々約20万円($1,900)、小売店の商品ブランドに対して6万8千円($640)を月額プランとして提供する。

月々のプランは上述の通りなので、Add-onの年間売上はストアごとに約127万円($12,000)。S1の年間売上は265万円($25,000)とのこと。

基本的には、定額制のソフトウェアサービスで利益を追求するこのビジネスモデルは、継続的に顧客や在庫データを収集し、将来的なビッグデータ分析によって、安定した売上につなげるという。

サステナビリティや、エシカル消費が当たり前となりつつある西ヨーロッパ・北、南アメリカにて、今後SmartBinsを利用する小売店は、導入コストを計算した上で、以前と同様あるいはそれ以上の利益を得られるかが焦点となりそうだ。

日本でもこうしたサービスの台頭への期待が高まっている。こうした包装ゴミを排除したスーパーマーケットが日本で増加していくのだろうか。

Photo Credit: SmartBins

参考記事

SmartBins reimagines grocery stores for a sustainable future.