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独のTIERが利用者によるバッテリー交換可能なe-Scooterを発表

video credit: TIER

ベルリンを拠点にするe-ScooterのTIERが8月25日、新仕様のe-Scooterを発表した。この動画で説明されているように、最大のポイントは容易に交換できるバッテリーボックスである。移動可能なバッテリーボックスのおかげで、コンビニやカフェなどを充電ステーションとして拡大させることができる。さらに、e-Scooter利用者はバッテリー交換をするだけで無料乗車ができると発表

この新たな充電技術はロンドンを拠点にするスタートアップPushmeが先進していたが、TIERは今年初めに同社を買収。Pushmeの保有している工場を中心に充電ステーション数を増やし、拡充させる様子である。

また、右左折をする時に後走車に光で合図を出すインジケーターを両ハンドルと後ろの泥除けに搭載。折り畳みのヘルメットが収納されているだけでなく、振動を吸収するサスペンションも装備済みで、ワイヤレスの充電器まで付いている。こうした新たな仕様により、業界内で最も安全でサステナブルな立ち位置を確立したと言われている。他社はTIERの持つハードウェアに対抗するため、同様の機能開発から充電ステーションを増やすなど、競合優位性を強める必要性が高まった。

TIERは業界内で初めて「Climate-neutral」を認証されたマイクロモビリティプロバイダーである。Climate-neutralとは、CO2排出ゼロを目指した生産システムや製品開発を実践することを意味し、TIERはドイツ国内で高まるサステナビリティの需要に応えていると言える。

ドイツは国家戦略で脱ガソリンによる移動手段をつくる方針を発表しており、世界初の水素力列車を導入するなど環境に配慮した移動手段の構築に力を入れている。このような背景を踏まえると、ベルリン拠点のTIERをはじめとするe-Scooterスタートアップは持続的な事業成長が予想される。なぜなら、各社はドイツのサステナビリティ計画と経済発展を後押しする面で必要であり、ドイツ国家による後援もありうるからである。

Photo credit: TIER

COVID-19の影響でソーシャルディスタンスが叫ばれる昨今、各国は人の多い都会でも距離をとって移動できる手段の模索をする。UKが計画する「e-Scooter Schemes」の検証に乗り出したTIERは、競合他社に注視する。例えば、サンフランシスコのSpinやカリフォルニアのBirdを初め、ストックホルム拠点のVoiや、ダブリン拠点のZipp Mobilityなどが挙げられる。これらの熾烈な戦いも衆目を集めるが、今回の新仕様発表によって安全性や持続可能性の面でTIERが突出したと言えるだろう。

TIERは2018年に設立されて以来、2019年7月にシリーズBラウンドで約70億円の資金調達をした。近年はUKとEU内で急速に展開しており、現在は70を超える都市にビジネスを拡大させる。

参考記事

TIER UNVEILS MOST ADVANCED E-SCOOTER EVER – WITH USER SWAPPABLE BATTERIES

Berlin-based TIER unveils most advanced e-scooter ever – with built-in helmet, user swappable batteries, and indicator lights