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インド発のEvoFoodsが植物由来の卵を開発しグローバル展開を目指す

近頃、代替肉製品はスーパーや大手ファストフード店で目にすることが増えた。インドのEvoFoodsは、植物由来の液体卵を開発し注目を集めている。

Evo Foods のCOO(最高執行責任者:chief operating officer)を務めるShraddha Bhansali氏は Tech in Asia で「クリーンなタンパク質製品、特に動物性製品に代わる植物由来の代替肉製品マーケットには明らかな需給ギャップがあることに気づき、その隙間を埋めるためにEvoFoodsを立ち上げた。」と述べた

昨年、インドのムンバイに拠点を置くEvo Foodsは、インドで最も発展する都市(ムンバイを含む8都市が現存)に在住する5,000万〜6,000万人をターゲットに事業を開始した。Evo Foodsは、インドで昔から巨大だった卵市場に対してクリーンなタンパク質の代替品を作るため、最新の食品科学によって豆類などの植物からタンパク質を抽出しているとのこと。

同社は、コレステロール、抗生物質、動物虐待のないインド初の100%植物由来の液体卵を開発したという。また、従来からの卵の味をはじめ、食感やタンパク質含有量を効果的に再現した。

報告書によると、2019年の世界の植物由来食品産業は42億米ドル規模とされている。インドは、ベトナム、ブラジル、インドネシアと同様に植物由来食品の有望なマーケットだとされる。

他の報告書によると、インドはアジア太平洋地域の植物性タンパク質市場の約10%を占めている。インドにおける食品業界の価値はあと3年でに約6億ドルに達すると予想されており、これは若者の増加や、中低所得世帯の購買力の向上、健康志向の強い中高年層が牽引するとされる。

COVID-19の感染拡大も、健康意識を上げるという点で、代替肉製品産業の成長を加速させたとNikkeiAsianReviewで述べられた

潜在的な課題

しかし、Evo Foodsは厳しい競争に直面する可能性がある。大手企業がグローバルに展開している昨今、後塵を拝することはある。

アメリカを拠点とする Impossible Foods は、総額13億米ドルの資金調達を行い、現在、香港、マカオ、シンガポール、中国に進出済み。イギリスを拠点とするJust は、インドを含むアジア進出を視野に入れており、植物由来の卵をすでに4,000万個以上も販売している。

インドでは、植物由来の牛乳を製造するGoodmylk や、インド工科大学デリー校が立ち上げた Plantmadeなどが、ヴィーガン用のパニール(南アジア圏のチーズ)や植物由来のスクランブルエッグを販売している。

一方、Evo Foodsの製品はまだパイロット段階。当初は7月に発売する予定だったが、ロックダウンの影響で10月に延期せざるを得なかったという。

あるインタビューで、Evo Foodsは同社の植物由来の卵が、今後8ヶ月間でベーキングにおける従来の卵の使用を置き換えることを期待すると述べた。別の多様な用途も考えられそうだ。

左から:Evo Foods COO Shraddha Bhansali 氏、CEO Kartik Dixit 氏
Photo credit: Evo Foods

顧客への啓蒙、つまり植物由来の卵を消費するメリットを理解してもらうことも課題だとBhansali氏は言う。

特に初期の段階では価格設定も問題である。Evo Foodsは以前、従来の卵よりも60%高い価格設定を計画しているとしていたが、今後2年の生産量拡大に伴い、スケールメリットで値段は下げられると考えている。

我々はクリーンなタンパク質企業になりたいので、代替タンパク質業界に目を向けており、そのもとであらゆる種類の製品の定番ブランドになることを目指している。(Evo Foods CEO Kartik Dixit 氏)

しかし、同社は少なくとも今後3年間は、まず植物由来の卵製品と顧客啓蒙に力を入れていくという。

グローバル展開という野望

これまでに、アメリカを拠点とするアーリーステージ VC の VegInvest、Wild Earthの共同創業者 Ryan Bethencourt 氏、Shiok Meats の共同創業者 Sandhya Sriram 氏、アメリカを拠点とする VC の Big Idea Venturesから資金調達を行っている。

Big Idea Ventures は、5,000米万ドル規模の「New Protein Fund」を通じて、植物由来食品、食品技術、代替タンパク質に取り組む企業に投資している。

Evo Foods は、ニューヨークのVCが運営するフードテックアクセラレータの第2期に採択された。Bhansali 氏によると、この動きは彼らのスタートアップが来年末までにアメリカに進出するのに役立つだけでなく、将来的にはインド、東南アジア、オーストラリアにも進出することになるという。

Evo Foods のコアチームは、Bhansali 氏と Dixit 氏に加え、フードサイエンティストらからなる。Bhansali氏はムンバイでベジタリアンレストラン&バーを経営するヴィーガン。3年前から環境意識の高いヴィーガンでもある Dixit氏は、Evo Foodsを設立する前に、オンライン食料品デリバリプラットフォームと培養肉の会社で働いていたという。

原文:Evo Foods wants to disrupt India’s food market with plant-based eggs

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